王子様の溺愛は、とことん甘い【番外編追加済み】
チラッと時計を見ると、もうすぐで完全下校の時間だということに気づいた。
「…来月、体育祭がありますよね」
「あぁ、あるね。それがどうかした?」
「会長もリレーに出ると聞きました…しかも俺と同じアンカーで」
こいつは絶対、芙羽梨といる隙をあまり与えさせてはくれないはず。
同じクラスだとしても、昼休みはほぼ一緒に過ごしてるし…。
こちらから誘ったとしても、ありとあらゆる手で邪魔してくるはずだ。
なら…
「そのリレーで対決しませんか…。もし俺が勝った時には、先輩には芙羽梨を諦めてもらいます。でも、先輩が勝ったら、俺は諦めます」
…真っ向勝負しかない。