王子様の溺愛は、とことん甘い【番外編追加済み】
なにか思いつめてるみたいな、そんな空気。
抱きしめ返すと、先輩の肩が少しだけ震えていた。
「…ちょっとね、今思っちゃったんだ。芙羽梨が僕じゃない誰かのもとに行ってしまったら、この幸せな時間も他のやつに取られてしまうんだ…って。そう思ったら、怖くなった」
……どうしていきなり、そんなことを言うんだろう。
「…私、詩音先輩以外の誰かのところへなんて行きませんよ?」
「え……?」