王子様の溺愛は、とことん甘い【番外編追加済み】
彩凛ちゃんが私の荷物と自分の荷物を手に抱えて、そう言ってくれた。
「うん。ありがとう、彩凛ちゃん」
今日は彩凛ちゃんに助けられてばっかりだな…ちゃんと何かお礼しよう。
そう心の中で決めて、さっきかずくんと話したところと同じ場所に来た。
少しの間沈黙が流れ、それを破るようにかずくんが口を開く。
「…はぁ、やっぱりあいつには敵わないってことだよな」
諦めたように呟くかずくんは、なんとも言えない悲しさをまとっている。