王子様の溺愛は、とことん甘い【番外編追加済み】
「っ…ありがとうございます。頑張ってよかった…」
「っ、今日僕耐えられるかな…」
「へ…?」
先輩がなにか独り言を言ったような気がするけど、「ううん、なんでもない」と首を振り私の手を握った。
「行こう。今日はせっかく歩く時間が長いから、ずっとこのままね。離しちゃダメだよ?」
詩音先輩の握る手は、私よりはるかに大きい。
分かりきってることをいちいち考えてしまうほど、今の私は浮かれているらしい。
「は、はい…っ」