王子様の溺愛は、とことん甘い【番外編追加済み】
「…ごめん、手加減出来なくて。…嫌、だった?」
まだ息が整わないから、首だけ横に振る。
びっくりしたし、苦しかったけど…詩音先輩が、“男の人”なんだと実感した。
普段の王子様のような優しい詩音先輩とのギャップを感じて、ドキドキして…。
「嫌じゃ、なかったです…」
またして欲しい、なんて考えが頭によぎる。
その気持ちは飲み込んで、そう一言だけ言うと先輩は安心したように「よかった」と呟いた。
「…でも、ほんとに気をつけて。これ以上煽られたら、僕の身ももたないし…芙羽梨だって困ると思うから」