王子様の溺愛は、とことん甘い【番外編追加済み】
詩音先輩が帰ったあと、お父さんがぽつりとこぼした言葉を私は聞き逃さなかった。
お父さん…それで時々、切なそうな表情だったのかな。
「…私は、ずっとお父さんが大好きだよ。でも…お父さんと同じくらい、大好きで大切な人ができたの」
恥ずかしいとかそういうのは全くなくて。
それよりも、ただ詩音先輩のことが大好きなんだってこと…お父さんのことも大好きだってことを知ってて欲しいから。
「…うん。ありがとう」
少し涙ぐんだお父さんを、お母さんは笑って見ていた。
そこで、私の携帯が震えて通知音がなったことに気づく。