"さよなら"には早すぎて、"はじめまして"には遅すぎる
即答しない理由なんて簡単で、ただ単に気が乗らないだけ。
「会ってみないとわからないけど、そもそも気が乗らないなら仕方ないし、気が乗らないのはその子がタイプじゃないってことでしょ?それなら期待させないでさっさとそういう気はないって伝えちゃった方がいいと思うけどなぁ」
「お前は会ってみなよ〜って言うんだと思ってた」
バッサリと興味がないなら切れと言うとは思わなかった。
「だってさ〜、適当に見繕ったってすぐ別れるじゃん」
あいつらみたいに。
千葉崎がこっそり指を差すのは夏前に付き合い、夏休み後には別れていたカップルだ。
「ゆ〜君はさ、とりあえず彼女が欲しいんじゃなくて、誰か他に好きになれる人が欲しいんでしょ。それもなるべく早く。……だったら、とりあえず興味を持てる子じゃないと意味ないと思うんだよね〜」
興味がない子というわけじゃない。
可愛いし、話も面白かったし。
ただ、前の彼女にちょっとだけ似ている。
「相手、打算的っていうか、計算高い系の女子だったんでしょ?」
「……お前、ほんとなんなの?」
「図星か〜」
合コンの話さえしていないのに、まるで全て見てきたかのように当ててくる千葉崎が本当に恐ろしい。
正直なところ当たっている。