"さよなら"には早すぎて、"はじめまして"には遅すぎる
昼ご飯は炒飯とカップ麺。
炒飯は酒井が作り、男二人はお湯を注いだだけ。
「悠介ちゃんとしたご飯食べてるの?」
おかんみたいなことを言う酒井に俺は何も返せない。そもそも俺は料理がほとんどできない。基本的にバイトの賄いや外食(先輩の奢りとか)で生きている。
炒飯は何とか形だけなら作れないこともないが、酒井のように上手くはいかない。
「酒井が作りに来て、栄養管理したらいいんじゃね?栄養学部だしさ!」
「私に悠介の母親になれと?」
「いや、どちらかというと嫁「黙れ千葉崎」
酒井が何やらまた物騒な動きをしている。
千葉崎の首が締まりそうなので、「麺伸びるぞ」と助け舟を出しておいた。
「で、この家で住んだ感じどう?」
首絞めから逃れた千葉崎はほっとしたような顔でカップ麺に手を伸ばし、話を逸らした。
「悪いところは大学までは遠いし、坂はそこそこキツイし、洗濯物がちょっと潮っぽい匂いがするとこだな。それ以外は前と変わらない」
「良いところは?」
「家賃がタダになったから、実質の負担額が減った。あとは………隣人がすっげー美人」
どうしてだろうか。一番初めに思いついた良いところはことながいるということだったのに、言いたくないと思ってしまった。
でも、結局は言いふらしたい気持ちにもなって言ってしまった。
「……隣、女の人なの?一人?」
「一人だと思うけど、確認はしてない」
そういえば、琴音しか見たことがないから一人暮らしだと思い込んでいたが、実際はどうなのだろうか。
あのサーフボードの持ち主がもし、あのイケメンだった場合は琴音は一人暮らしではない。
「すっげー美人って、芸能人なら誰に似てんの?」
ニヤニヤする千葉崎は俺が珍しいことを言ったせいかとても楽しそうだ。気に食わないが、知る限りの芸能人を頭の中に思い浮かべる。
炒飯は酒井が作り、男二人はお湯を注いだだけ。
「悠介ちゃんとしたご飯食べてるの?」
おかんみたいなことを言う酒井に俺は何も返せない。そもそも俺は料理がほとんどできない。基本的にバイトの賄いや外食(先輩の奢りとか)で生きている。
炒飯は何とか形だけなら作れないこともないが、酒井のように上手くはいかない。
「酒井が作りに来て、栄養管理したらいいんじゃね?栄養学部だしさ!」
「私に悠介の母親になれと?」
「いや、どちらかというと嫁「黙れ千葉崎」
酒井が何やらまた物騒な動きをしている。
千葉崎の首が締まりそうなので、「麺伸びるぞ」と助け舟を出しておいた。
「で、この家で住んだ感じどう?」
首絞めから逃れた千葉崎はほっとしたような顔でカップ麺に手を伸ばし、話を逸らした。
「悪いところは大学までは遠いし、坂はそこそこキツイし、洗濯物がちょっと潮っぽい匂いがするとこだな。それ以外は前と変わらない」
「良いところは?」
「家賃がタダになったから、実質の負担額が減った。あとは………隣人がすっげー美人」
どうしてだろうか。一番初めに思いついた良いところはことながいるということだったのに、言いたくないと思ってしまった。
でも、結局は言いふらしたい気持ちにもなって言ってしまった。
「……隣、女の人なの?一人?」
「一人だと思うけど、確認はしてない」
そういえば、琴音しか見たことがないから一人暮らしだと思い込んでいたが、実際はどうなのだろうか。
あのサーフボードの持ち主がもし、あのイケメンだった場合は琴音は一人暮らしではない。
「すっげー美人って、芸能人なら誰に似てんの?」
ニヤニヤする千葉崎は俺が珍しいことを言ったせいかとても楽しそうだ。気に食わないが、知る限りの芸能人を頭の中に思い浮かべる。