3月14日
家が見える場所まで来たとき、思わず、おれは言ってしまった。

「まだ、あいつと一緒に帰ってんのかよ」
 
花奈は立ち止まって、おれの顔をじっと見た。

「あいつって斉藤くんのこと? たまたまホームで会ったから一緒だっただけだよ」

「でも、ずいぶん仲良さそうじゃん」

おれの言葉に反応して、花奈の目つきが少し険しくなる。

「健太、何が言いたいの?」

「おれと……いるときより、楽しそうだった……から」

「あのさ、彼氏がいたらクラスメイトと仲良くしちゃいけないの?」
 
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