美術室のユーレイ


「俺の名前は 川村 美斗カワムラミト。よろしくな 」



表情の変化は気になったが、何の前触れもなくいきなり自己紹介されたことに驚いた。


そもそもこの状況は何なのかがまったくわかっていない私の頭には入ってこない。




美斗…みと…。




「…ミトン?」


「ちげぇよ、ばか。だれが鍋つかみだ」


そう言ってちょっと怒った顔をした。


へぇー、ミトンって別名鍋つかみって言うんだ……じゃない!


今はそんなことよりこの人でしょ!


「あなた…人なの?」


私は恐る恐る尋ねた。


「うーん、その質問はちょっとは難しいかな」


川村くんはまだ笑顔のまま首を傾げた。




え…難しいって…?


なにそれ、どういうこと。





戸惑って下を向くとふと目に入る川村くんの足元。


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