美術室のユーレイ
「俺…死ぬはずじゃなかったんだ」
「えっ、でも自殺だって…」
『俺は自殺したユーレイなんだ』
「たしかに自殺した。でもそれは誰の手も加わっていない死って意味。普通自殺って死ぬ意思があって死ぬものだけど、俺は死ぬ意思があって死んだわけじゃない」
「そうだったんだ…」
「あーあ。俺も生きてたら今頃大学1年生かー」なんて言いながら伸びをしている。
「どうして…」
「ん?」
「どうして死んじゃったの…?」
どこまで踏み込んでいいか分からなかったけど、この質問にも笑顔を見せてくれた。
でもその笑顔はとても、悲しそうだった…。
「学校の屋上で足を滑らせちゃって…それで落ちちゃった」
「ね?予想外の死でしょ?」なんて美斗くんは笑ってるけど、私は当然笑えなかった。