美術室のユーレイ
美斗くんは本当に死ぬはずじゃなかった普通の男の子だったんだ。
死にたくなかったのに、死んじゃったんだ…。
私はたまらなくなり、美斗くんに抱きついた。
「ちょ、舞空?」
強く強く、抱きしめた。
だれも憎めないのが逆に悔しかった。
この気持ちをだれかにぶつけてやりたかった。
「私、生きるから」
「え?」
「美斗くんの分まで…しっかり生きるから!」
私がそう言うと美斗くんは抱きしめ返してくれた。
「うん…ありがとう。頑張って生きて」
もう少しで日が沈む。
私たちは暖かい夕日に照らされながら、お互いの気持ちを胸に刻み、抱き合っていた____。