美術室のユーレイ




私がビクビクしていると美斗くんは私の頬に手を当てた。


その顔にはさっきみたいな怒りはなかった。



「冗談だよ。安心して、舞空にだけはなにもしないから」


そう言うとニッコリ笑った。


「美斗くん…」



美斗くんに触れられると安心する。


それと同時にすごいドキドキする。


心臓が自分のものじゃないみたいに激しく動く。



こんな感覚知らない。



なんか自分が自分じゃないみたい…。




「舞空、なんか顔赤くない?」


ついに美斗くんにそう言われてしまった。


「そ、そんなことは…」


美斗くんが触れている頬に熱を帯びている自覚はあったけど、まさかそんなにあからさまに赤くなっていたなんて。


美斗くんは体温がないから美斗くんの手によって熱を帯びたわけじゃなくて、この赤みは全部私から。



「熱?」


そう言うとさっきは片手だったのが今度は両手で私の頬を包んできた。



そんなことをしたら余計赤くなる…!


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