美術室のユーレイ
「…あたしがユーレイになってどれくらい経つと思う?」
急な質問に戸惑う。
「え?えーっと…5年くらい?」
「5年!?若っ!!」
ユーレイは大袈裟に驚いた顔をした。
「あたしはユーレイになって実に数百年!」
「ええっ!?数百年!?」
冗談でしょ!?
今度は私が盛大に驚く番。
「でも、姿は同じ感じ…」
同じ制服を着ているし、顔だっておばあさんって顔をしていない。
「学校の霊になるとその学校の制服を身にまとうことになってるの。で、私がお嬢ちゃんと同い年くらいに死んだから顔も老けてない」
「そういうことだったのか」
これは冗談ではなく本当らしい。
「生きていた頃なんてもう数百年前だからね。だから自分の名前なんて覚えてないのさ」
「そっ、か…」
言われてみれば同い年っぽいくせに私のことを『お嬢ちゃん』なんて呼んでみたり、口調なんかも今どきのJKっぽくなかったり…。
でも名前がないなんてちょっと可哀想って言うか…
あっ!そうだ!