美術室のユーレイ






やがて悪霊の牙が目の前まできた。


ここまでくると私はもう為す術もなかった。



嫌だ…怖い…助けて…。



頭にふと美斗くんの顔が浮かぶ。




美斗くんなら…助けにきてくれる?


悪霊を…倒しにきてくれる?


美斗くん…。美斗くん…。





「美斗くん!!」


食べられる寸前に彼の名前を叫んだ。







その時








「はーあーいー」



返事と同時に私に巻きついていた葉っぱを切り、私は解放された。



「グゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…」



そして落ちた私をキャッチしてくれた。



「やあ、舞空」


「美斗くん!」



きょう初めて会う美斗くん。



美斗くんがやっぱり助けにきてくれた。


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