美術室のユーレイ




「危ないから下がってて」


私をおろした美斗くんは悪霊に向き合う。


そして剣を勢いよく振り下ろした。


「グァア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」


悪霊は大きな悲鳴をあげ、たちまち消えた。





空は元の色に戻り、悪霊が突き抜けてきたことによって空いた穴も元に戻った。


攻撃に使った椅子も大旗も元の位置に戻っていく。



すべてが悪霊が現れる前の姿に戻った。






「…なんかきょうの悪霊弱かった。なんかしたの?」


「うん!私とアカリが攻撃を……って、アカリ!!」


アカリがまだ倒れたままだったんだ。



「アカリ!だいじょ……あれ?」


アカリが倒れたはずの場所を見てみると、誰もいなかった。


「アカリ?どこ?」


「アカリ?」


美斗くんが不思議そうに首を傾げている。


「私と同じ身長くらいの数百歳の女の子なんだけど…いなくなっちゃった」


「数百歳だ!?それってまさか霊?」


「そうだよ」


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