美術室のユーレイ
その言葉によってさらにドキドキしてしまう。
…明らかに私の反応をみて楽しんでいる。
それはわかっているけど、どうしてもはまってしまう。
やっぱり美斗くんには敵わない。
泣かせるようなことって…なに?
私…なにされるの?
怖いわけじゃないのにビクビクしてしまう。
そんな私の頭の上に美斗くんは手を置いた。
「冗談。悪い、泣かせるつもりはなかった」
そう言うと踵を返し、離れていった。
途端に寂しさを覚える。
「ち、違うよ?美斗くんが怖かったから泣いたんじゃなくて、その…びっくりしちゃって」
「わかってるわかってる」
美斗くんは後ろを向いたまま返事をしている。
違う。
絶対わかってない。
美斗くんのことを怖いだなんて思ってない。
誤解されたままは…嫌だ。
美斗くんには素直な気持ちを伝えたい。