美術室のユーレイ
考えの限界が来そうだった時、私の頭にあるアイデアが降ってきた。
「あっ、あそこは?」
「どこどこ?」
美斗くんが身を乗り出す。
「屋上」
ドクン…。
そう口にした途端、体の中で嫌な音を立てた。
同時にめまいがして、クラクラしてくる。
「ぅ…わぁ…」
目の前の美斗くんがぼやけ、突然朦朧とする意識。
自分でも制御することができないし、なぜいきなりこうなったのかがわからない。
ただ『屋上』と言っただけなのに。
「舞空!?大丈夫?」
美斗くんが近くにあった椅子に私を座らせてくれた。
座っても体はフラフラするし、頭の中はグルグルする。
変な汗が身体を伝う。
椅子を差し出されたことに『ありがとう』と言えないほど私の体は限界だった。
どうしちゃったんだろ…私。
呼吸をするので精一杯だった。