美術室のユーレイ
男の悪霊
「はぁ…はぁ……」
私はやっとの思いで家のドアの前までたどり着いた。
学校内を猛ダッシュして昇降口で靴を履き替え、そこから駅までまたダッシュ。
電車に乗って最寄り駅に着いてからもダッシュして今ようやく家の前にいる。
後ろを見てもあの霊は追いかけてきていない。
「よかった…疲れたぁ…」
ドアに背中を預け、へなへなと座り込む。
こんなにダッシュしたのいつ以来だろう。
全身は汗でベトベト。
帰ったらまずお風呂かなぁ…。
そう思い制服のポケットに手を突っ込む。
…あれ。
おかしいな。
カバンのチャックを開いて中を見てみる。
…あれ、なんで。
カバンの中身を全て出して見た。
…やっぱり、ない!
ない、ない、ない、なーーーい!