美術室のユーレイ
美斗くん……?
美斗くんと出会って数ヶ月がたった。
そんなある日の昼休み。
教室で絵を描いてると、結杏が話しかけてくる。
「ねぇねぇ舞空ちゃん。今日はどんな絵描いてるの?」
そう言って私のスケッチブックを覗き込んできた。
「今は風景描いてるよ」
「そうなんだ。人は描かないの?」
人…。
人っていう人は描いてないかな。
…強いて言うならユーレイだけど。
まぁ今は人に含みましょう。
「描いてるよ」
私がそういうと結杏は瞳を輝かせた。
「見せて見せて!」
「あ、ちょっ」
スケッチブックを私からかっさらった結杏はページをパラパラとめくる。
ページをめくる結杏は目をキラキラさせて楽しそうで、奪い方は強引だったが、そんな事も忘れ私も嬉しくなる。
「舞空ちゃんって本当に絵が上手いんだね」
「そ、そうかな?ありがとう」