美術室のユーレイ


































美斗先輩はまだ生きてるよ」






結杏は平然と言い放った。





私は言葉の意味がすぐには理解できなかった。





「ま、またまたぁー、そんなこと言っちゃって!美斗くんはもう死んでるんだよ?それも自殺で」





「…美斗先輩は自殺しても死んでもないけど…」



軽く笑い飛ばした私とは違い、結杏の目はいつになく真剣だった。



「…それ、本当?」


「うん。私にはお兄ちゃんがいるんだけどね?お兄ちゃんもここの卒業生で、美斗先輩と仲良かったの。だから美斗先輩のことはいろいろ聞いてたりしてた。でも、死んだなんてことは言ってなかったよ?」




結杏は真面目にそう言い、いつもの悪ふざけな感じはまったくなかった。








え…じゃあ本当に美斗くんは…。







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