美術室のユーレイ
「ねぇ教えてよ。あなたは誰なの?なんで私に嘘なんかついたの?」
「……」
「答えてよ。あなたは川村美斗じゃないんでしょ?」
しばらく下を向いていた彼がゆっくりと顔を上げた。
その目は今まで見たことのないほど冷たかった。
「それ言ってどうするの」
至って冷静に言い放った。
予想外の言葉に今度は私が固まった。
え…どうする…?
どうするって…?
私の困惑が伝わったのか、彼は言葉を続けた。
「それ言って君は俺をどうしたいの」
色のない目が私に突き刺さる。
怯みそうになるのを耐え、なんとか言葉を絞り出す。