美術室のユーレイ
「2人はとても楽しそうだったよ。…でも、その日は風が強い日で…」
その言葉を聞いた瞬間、私の中でなにかが弾けた。
その瞬間どす黒い記憶が私の中を駆け巡った…。
『あっ!まって!』
『〇〇くん、危ない!』
嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
聞きたくない、聞きたくない。
体が猛烈に拒絶している。
耳を塞ぎ、その場でうずくまる。
めまいがし、体がフラフラし、頭がグルグルする。
…この感覚…知ってる。
たしか前にも同じようなことが…!
私が『屋上』という言葉を口にしたときだ。
それに気づいた瞬間、屋上にいる2人の男女の映像が頭の中に流れる。