美術室のユーレイ
「やっぱり屋上は気持ちいなー」
屋上の扉を開けた途端、両手を上に上げている彼。
「ちょっと、入れないでしょ。進んでよ」
完全に通せんぼ。
「悪い悪い」
そう言い、手をおろした彼は被っているキャップを被り直し、屋上の柵に手をかける。
「たっかーい!これ、やまびこさんやれば聞こえるかな?」
「んーどうだろうね。でも大声は出さないでね」
絵の準備をしながら彼に返事をする。
スケッチブックあって、コピックもあって、鉛筆、消しゴム…よし!
材料揃ってる!