美術室のユーレイ
決意
気づけば私は泣いていた。
アカリはずっと私の背中を撫でてくれている。
全部…全部思い出した…。
私が川村美斗だと思って接していた相手は、初恋の人だったこと。
その彼とは小学生のときに仲良くなったこと。
彼は私の絵が好きで、放課後は毎日のように屋上で絵を描いていたこと。
そして…そんな幸せな場面で彼は帰らぬ人となったこと…。
そんな彼の本当の名前は叶多…。
真城叶多だったこと。
彼は『自殺だけど死ぬ意思があって死んだわけじゃない』って言ってたけど、そういうことだったのか。
事故…だったのか。