美術室のユーレイ
「…運命は時に残酷なの。今回はたまたま彼が死ぬ場面に舞空がいただけ。『私が悪い』とか本当に思っちゃダメ」
アカリの目は真剣そのものだった。
「でも…」
「舞空の気持ちはわかる。でも、そう思うんだったら、今までの思い出を全部、帳消しにできる?彼と過ごした日々をなかったことにできる?」
そんなの…
「できるわけないよ…」
「でしょ。だったらそんなこと思っちゃダメ。彼が死んだことは舞空もだれも悪くないんだから」
アカリの言葉がまっすぐに私に刺さる。
私は少し冷静になれた。
「わかった。なんか…ごめん」
「ううん」とアカリは首を横に振る。