美術室のユーレイ
私がそう言うとアカリは目を丸くして首を傾げた。
「違う。そんなこと言われてない」
「え!?」
でもたしかに叶多くんはそう言って…。
私が不安な表情を浮かべると、アカリが下を向いた。
「そっか…彼は優しいから本当のことを言わなかったんだね…」
「ちょっとまって、どういうこと?」
アカリは少し間をあけて話した。
「…彼はそこで悪霊を倒すように命じられたわけじゃない」
そう言うとアカリは顔を上げた。
その顔はひどく悲しそうだった。
「此岸のものに姿を見せる権利を与える。その代わり……此岸にいられる時間を削るって」