美術室のユーレイ
私の中の時が止まったような気がした。
なに、それ…。
本当はそう言われていたの…?
『此岸にいられる時間』って…なに。
彼はずっといられる訳じゃないの?
彼は……消えちゃうの?
「たぶん、舞空に心配をかけたくなかったから本当のことを言わなかったんだね」
アカリは口を強く結んだ。
前にこの話をしたとき、叶多くんはどこか言いづらそうにしていた。
それって…私に嘘をついていたから?
わざわざ偽名を使ったのは、自分のことを思い出して悲しませないようにするため?
叶多くんはわざわざ私とまた会うために、貴重な時間を削ったの…?
私を拒絶したのも、嘘をついたのも、傷つく言葉を言ったのも…
今までの言動や行動はすべて……
私のためだったんだ。