美術室のユーレイ
「叶多くんを助けたい」
ハッキリと口にした。
涙はもう乾いていた。
下を向いていたアカリの目がだんだんと私を見上げる。
「…なに、言ってんの?」
「叶多くんは本当は死ぬはずじゃなかった。だから……」
私は少し考えた。
でも…決めたことだ。
「アカリ、過去に行かせて」
「まさか…!」
アカリは私の意図を汲み取ったのか、驚いた表情を浮かべる。
「過去を変えたいって言うの?」
「そういうこと」
アカリが首を横に振る。
私はアカリの手を握った。