美術室のユーレイ
「お願い。叶多くんが死ななかったことにしたいの。私はそのためならどんな罰でも受ける」
私がそう言うとアカリはひどく顔をしかめた。
「よく考えて!彼はそれを望んだの?彼は神様が現れてもそれを望まず、此岸にいられる時間を削ってまで選んだ道だよ?」
それはよくわかっている。
これはお節介なことかもしれない。
でも…
「叶多くんは勝手な思いで私になにも言わず、消えようとしている。だから私のこれも勝手な思い」
「お願い」とアカリの手を握りなおす。
「叶多くんは私のことをたくさん助けてくれた。だから、今度は私が叶多くんを助けたいの!」
「……」
アカリは考え込むようにしばらく黙っていた。