美術室のユーレイ









……って来てみたはいいけど。



これ、どこから入ればいいの!?


門の前で立ち尽くす私。



残業の先生たちもさすがにもういないみたいで、学校は明かり一つない。


月明かりに照らされた校舎はまるで学園もののホラー映画の舞台のようだ。



そんな夜の学校の前で私はあたふたしている。


試しに門を開けてみようと手をかけるが、やっぱり開くわけもなく。


それもそのはず、最近の学校は防犯対策バッチリらしくて鍵という鍵はすべて閉められている。


「こんなの無理じゃん…」


勢いで学校に来ちゃったけど、入れないなら意味がないよ。


きっとアイツ部室にいるはずだし。



…仕方ない、結杏に連絡を…


そう思い、スマホを出そうとした時、





視界の端で何かが動いた。


「なに!?」


声は裏返り、私の体はすでに震え出した。


こんな雰囲気たっぷりの夜の学校。


おばけとかやめて…



っておばけに会いに行くんだった。

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