美術室のユーレイ





「うん、大丈夫だよ。舞空も彼も生きていける。でも、ユーレイの彼と会ったあとの記憶は消える」




「消えるの?」




「そう。悪霊と会ったことも、彼がユーレイだったことの記憶も消える」





「…アカリのことは?」






「あたしとの記憶も…消える」










え…。



アカリとの記憶も消えちゃうの…?



私、アカリのこと忘れちゃうの?



私が悲しそうな表情を浮かべると、アカリがおどけた調子で背中を叩いてきた。



いつもの明るいアカリだった。




「なにそんな暗い顔してんの?決めたんでしょ?」



「でも…」



「大丈夫。ユーレイと人間なんてもともとは交わらなかった関係なんだから」


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