美術室のユーレイ




「き、きょうはなしにしない?」



カチッ



懐中時計の針が動く。



これを阻止しなければ私が過去に来た意味がなくなる。



そしてお互い消えてしまう。



「えーなんで?きょう、すっごくいいお天気だよ?俺屋上行って絵を描いてほしいよ」



「き、教室じゃ、だめ?」




カチッ



2回目の針が動く。




「えーやだー。ここ最近ずっと雨だったじゃん?久しぶりに晴れたんだから屋上行こうよー」



「屋上じゃなくても、外は行けるよ?校庭とか、どう?」




カチッ



3回目の針が動く。




あ、あと1回。




叶多くんの顔が曇る。


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