美術室のユーレイ



私は叶多くんのネクタイを掴んで勢いよく自分の方に引き寄せる。



「えっ舞空?」




そして





キスをした。




叶多くんは相当驚いた顔をして、目を白黒させた。



作戦成功。



「仕返し〜」



そんな叶多くんに向かって私がべーっと舌を出してからかった。



顔を赤く染めながらも、ムッとした顔をになる叶多くん。



「舞空のくせに生意気!」



叶多くんがムキになったので私は逃げるように部室を飛び出した。



「あっこら、まてー!」



叶多くんが追いかけてくる。



この歳になっても追いかけっこって…私たちどれだけ幼いの?



カレカノになったばかりの人達がやることじゃない。




でもそれも……



「私たちらしくていいよね」



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