美術室のユーレイ
暖かい。体温がある。
それはみんなにとってはあたりまえなことなんだろうけど、私にとってはすごく特別なこと。
叶多くんは、生きているんだ。
私と一緒に、この此岸の世界で生きているんだ。
これからもずっと一緒にいられるんだ。
生きていたら辛いこと、苦しいこと、たくさんあると思うけど、
叶多くんと一緒ならどんなことでも乗り越えていける。
「舞空」
「なに?」
「また、絵を描きに行こうね」
「もちろん!」
その時、心からそう思った___。