美術室のユーレイ



「誤魔化しても無駄だよ!白状せい!」


私は叶多くんの頬を両手でムギュッと掴み、私の方に向ける。


一瞬、驚いた顔をしたけれどやがて眉を下げて小さく笑った。


さっきみたいな誤魔化した表情はなかった。



「やっぱり、舞空にはかなわないな」


そう言うと私から離れ、どこかへ歩いていく。


どこへいくんだろうと思っていると自分の通学鞄の前に足を止めた。


そして鞄の中からなにかを取り出した。


「これ」




そう言って差し出されたのは白い袋に赤いリボンのまさかまさかのプレゼントだった。


私は目を見開く。


「え!なにこれ!?どうしたの?」


「開けてみて」


突然のプレゼントに動揺しながらも、リボンを解き、袋の中をのぞく。



そこには



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