美術室のユーレイ



付き合ってからの初めてのプレゼント。


「ありがとう!大事に使うね」


私はスケッチブックを抱きしめる。


叶多くんは片方の口角を上げた。


「そのスケッチブックに描く絵、俺専用な」







いつの間にか空は晴れていた。


分厚い雲から顔を出した光が私たちを温かく照らしてくれる。




「せっかくだからきょうはこのもらったスケッチブックでもう1枚、絵を描こうよ!」


「おう、そうだな。どんなポーズにする?」


「うーーん…」














夕日が差し込むこの部室で



きょうも2人で絵を描こう_____。




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