美術室のユーレイ
そんな私の願いが通じる訳もなく、男はついに私の目の前まで来た。
「スグニ ラクニ シテ アゲル カラナ…」
「……」
私の耳元でそう呟き、私を丸々飲み込んでしまいそうなほど大きな口を開けた。
もうなにも抵抗できない。
ここまできたらなにしても無駄。
そうとわかれば意外にも冷静だった。
おばけに会いに来た挙句、おばけに食べられるって…。
これいつ笑い話にできるネタかな…。
そんなことを考えながら目を閉じた。
その時だった。