美術室のユーレイ
此岸と彼岸
一瞬にして辺りは静まり返った。
私の体に巻きついていた白い玉も消え、体が動くようになった。
「あ、あの…」
私の声に反応し、振り返った川村くんの瞳は青かった。
「川村…くん…?」
「お前…なんでこんなところにいるの」
「え…?」
そういうとこちらに向かって歩いてくる。
「ここは彼岸の世界だ。お前が来ていい場所じゃない」
彼岸…?どういうこと?
「ちょっと失礼」
そう言うと突然私を抱きしめた。
「えっ…えっ!?ちょ、ちょっと川村くん!?」
「静かにしてろ、ばか」
意味がわからず川村くんに抱きしめられている。
川村くんは幽霊だからか体温がなかった。