美術室のユーレイ
「じゃあさっき言ってた彼岸は?」
「彼岸は死んだ人が存在する世界のこと」
「俺がそうだね」と川村くんは笑った。
そっか…川村くんは死んでいるんだっけ…。
「そういえばどうしてあんな所にいたの?」
「え?あぁ、それはね」
私はさっき起きたすべてのことを話した。
「…で、川村くんが来てくれたから助かっ
たってわけ」
私が話し終わると川村くんは座り込み、頭を抱えた。
「あれ、どうしたの?」
「…怖かった?」
「え?」
「あの霊、怖かった?」
どうしてそんなことを聞くのだろう。
「怖かったけど…川村くんが来てくれたから大丈夫だったよ」
私は笑顔を向けたけど川村くんはまだ暗い顔をしている。