美術室のユーレイ



「…れのせいじゃん」


「え?」


「それって俺のせいじゃん」


「そんなこと…」


「俺が鍵を奪わなければこんなことに巻き込まれなかったのにな…ごめんな」


そう言うとさらに下を向いてしまった。


その事を気にして頭を抱えていたらしい。



どうしよう。


私もう気にしてないし、


なにより川村くんにそんな顔、してほしくない。


「そんなことない!」


私が大声で言うと川村くんはゆっくりと顔を上げ、真っ直ぐに私を捉えた。


「たしかに鍵を奪われなければ、夜の学校になんてこなくて、あんなやつに襲われなかったかもしれない。でもちゃんと助けてくれたじゃん。それに『逃げたら奪うよ』って言われたのに逃げちゃったのは私だし。これはお互い様!ね?」


私もしゃがみ、川村くんに視線を合わせた。



「…相当怖い思いをしたはずなのに…死ぬかもしれなかったのに…なんでそんなこと言ってくれるの?」



川村くんは驚いている。


でも、答えは簡単。


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