美術室のユーレイ
「じゃあ私そろそろ部活に行くね」
教科書やらノートやらをカバンに詰め、大事なスケッチブックを持って立ち上がった。
「うん。たまには一緒に帰ろうね」
寂しいのか上目遣いで私を見てくる。
うわぁぁぁかわいい!
どうしよう。女子の私でもドキドキしちゃう。
…って同性にときめいている場合じゃない、はやく行かないと。
「わかってるって。じゃあまた明日!」
「部活頑張ってね!ばいばい!」
笑顔で手を振り合い、私たちは別れた。
結杏の上目遣いを思い出しニヤニヤして浮かれていた。
だから、私の後ろでうごめいている影に気がつかなかったんだ____。