美術室のユーレイ



「よし、じゃあこれ、返す」


そう言って渡されたのは家の鍵。


本来の目的はこれだったんだけど、すっかり忘れてた。


「ありがとう。そういえばなんで奪ったの?」



ずっと聞きたかったけど、聞きそびれていた質問。


家の鍵を奪うくらいだから、きっと壮大な理由が…。






「んー…ただの遊び。特に理由はない」


「は?本当に?」


まさかの返答に拍子抜け。


「だって、あの感じだと二度と舞空が現れないような気がして…。また戻ってくるように使いそうなものを奪ったけど、まさかその日のうちに戻ってきて挙句悪霊に襲われかけていたなんて」


「とっくに止まっていた心臓がまた止まりかけたよ」なんて能天気に言っている。



そ、それはこっちのセリフだよ!


もうたぶん心臓止まってたよ!

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