美術室のユーレイ
それにしても…
「ねぇ、なんで私なの?」
「ん?」
「『また戻ってくるように』ってどういうこと?」
「あー…」
美斗くんは気まずそうに目を逸らした。
もしかしてまずいこと聞いちゃった?
言えないことなのかな?
「やっぱりなん…」
「それはまた明日言うよ舞空、今日はもう帰りな?」
美斗くんは話を切り上げてしまった。
「うん…」
私は頷くことしかできなかった。
美斗くんに聞きたいことはたくさんある。
でも、そんなに踏み込んではいけないのかもしれない。
その時、そう思った。
美斗くんは寂しそうに小さく笑っていた___。