美術室のユーレイ
美斗くんの正体



次の日の放課後。



6時間目の終わりを告げるチャイムが鳴ると私は速攻で荷物を片付けだした。


はやく部室に行きたい。


美斗くんと話がしたい。


昨日の美斗くんの言葉が気になりすぎて授業の内容なんてこれっぽっちも頭に入ってない。



そして川村 美斗 って名前、冷静になってよくよく考えてみると、絶対どこかで聞いたことのある名前なんだよね。


それもひっくるめてとにかく気になっていた。


「舞空ちゃん、きょうも部活?」


結杏が話しかけてきた。


いつものように眠たそうに目をこすりながら。


また寝ていたらしい。


「うん、そうだよ」


「なんかきょうはいつもより急いでるね?」


ギクッ


「そ、そんなことないよ」


ユーレイに会いにいく、なんてそんなこと言えるはずもなく。


私は曖昧に誤魔化した。


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