美術室のユーレイ




「これを描いたのが、俺」


「え!?そうなの?」


「そうだよ、名前見て」


もちろん最初は彼の性格上、冗談だと思った。


でも絵の右下に小さく名前が書いてあって、それを見たら…


『3年E組5番 川村 美斗』


信じざるおえなくなった。


「ほんとだ…」


「だろ?」


「しかもこれ、たしかコンクールで賞を取った絵だったはず…」


我が高校の美術部は、毎年部員は少ないものの、1度だけ賞を取った生徒がいると聞いていた。



それが、この美斗くんだった。


今日1番の驚き。


そっか。だから名前を聞いたことがあったんだね。


憧れていた絵がまさか美斗くんの作品だったなんて。

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