美術室のユーレイ
でも…
「どうして?」
「え?」
「なんで、私なの?」
昨日からずっと気になっていた質問をした。
なんで私の前に突然現れて、昨日は悪霊から守ってくれたり、今みたいに優しい言葉をかけてくれるのか。
美斗くんは昨日みたく逸らそうとはせず、迷いなく答えた。
「お前に興味があったから」
「興味?」
「そう。ある時は楽しそうに、ある時は難しそうに。そんな絵を描いてるお前に俺は興味を持った」
そう言って美斗くんは自分で描いた絵に手を置いた。
「舞空は1人でも黙々と絵を描いてる。そのくらいこの子は美術が好きなんだなって、ずっと見ていた」
そうだったんだ。
全然気が付かなかった。