美術室のユーレイ
「そんなある時俺は願ったんだ。『舞空の前に姿を現したい』って。霊感のない舞空には俺の姿が全然見えていないっぽかったし」
たしかに私には霊感がない。
気配すら感じることができない。
「その時神様は言ったんだ。『此岸のものに姿を見せる権利を与える。その代わり…』」
そこまで言って美斗くんは黙った。
視線は窓の外に向けられている。
「どうしたの?」
「……」
「美斗くん?」
「…なんか嫌な予感がする」
「えっ?」
私も美斗くんと同様、窓の外に目をやった。
空がすごいスピードで濃い紫色に染まり始めている。
昨日の出来事がフラッシュバックする。
これってまさか…!
その時だった。