美術室のユーレイ
美斗くんの使命



結杏がいなくなった今、私は美斗くんに尋ねた。


「さっきのあれってやっぱり悪霊だったの?」


目は赤く、口は裂け、長い爪を持つ霊。


思い出しただけで身震いがする。


「そうだよ。此岸の人間を襲う霊なんて悪霊くらいしかいないよ」


「空、紫色になってたね」


たしか私が最初に襲われた時も紫色だった気がする。


「あれが悪霊がくる合図ってやつかな。覚えておいた方がいいよ」



「そうなんだ。…にしても美斗くんかっこよかった!なにあの青い光、すごい!」


「そう?そう言われるとちょっと照れるね」


そう言いながら本当に照れている。


耳なんてほんのり赤くなってるし。


そういう顔もするんだ!新しい一面。




「前の私の時とか、結杏を、助けてくれてありがとう!美斗くん!」


そう言いながら笑顔で近づくと美斗くんは離れた。

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