美術室のユーレイ
「悪霊を倒すように命じられた」
「悪霊を倒す?」
「そう、この学校に存在する悪さをするありとあらゆる悪霊を倒すように命じられたんだ」
「だから好きでやってるわけじゃないんだー」と言いながらプカプカ浮いておちゃらけている。
「美斗くんって元からあんな勇者みたいな感じじゃなかったんだ」
「そうだよ。俺も最初はフツーのユーレイだったよ」
頭の後ろに手をやり、寝るように横に浮いている。
「俺、神様とお友達だから」
「え、そうなの!?」
「そうだよ。だから舞空の前に姿を現したいっていう願いも叶えてくれた。ま、条件付きだけどね」
神様って本当にいるんだ…。
にしても
ありとあらゆる悪霊をたった1人で倒すって大変なんじゃないの…?
「そこまでして私の前に姿を現したかったの?」
「うん、まぁね!」
美斗くんは嬉しそうに笑った。
私に会う割にはその代償がでかすぎる気がするんだけど…。